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 神経性食思不振症の恐ろしさ

 普段、神経性食思不振症の患者さんにお目にかかる機会は、医者といえどもあまりありません。
 専門にもよりますが…私の場合は癌治療が主な専門ですので、専門外となるとあまりわからないのです。

 しかしながら、神経性食思不振症の患者さんに実際にお目にかかり…、私は
「今すぐ専門の病院へ行って!!てか今働いている場合じゃない!!」
 と、すぐさま産業医へ報告した事例があります。それもつい最近。
 
 まず、神経性食思不振症の定義として挙げられるのは、 

A: 年齢と身長に対する正常体重の最低限、またはそれ以上を維持することの拒否(例:期待される正常体重の85%以下の体重が続くような体重減少がある。または、成長期間中に期待される正常な体重の増加がなく、期待される体重の85%以下になる)

B: 体重が不足している場合でも、体重が増えること、または肥満することに対する強い恐怖がある。

C :自分の体重または体型を感じる感じ方・認知の障害:自己評価に対する体重や体型の過剰な影響、または現在の低体重の重大さの否認。

D: 初潮後の女性の場合は、無月経、つまり、月経周期が連続して少なくとも3回欠如する(エストロゲンなどのホルモン剤投与後にのみ月経が起きている場合、その女性は無月経とみなされる)

 
 なのです。

 あまりに低体重の場合、たいてい月経が不順になっていることが多い。
 なので、BMIが18以下の方には、私は月経についてたずねることにしています。
 これは、今までは意識していなかったことです。
 産婦人科のドクターの影響ですね(^^;


 で、私が怖いと思った最近の例…。
 心電図をチェックするのも私たちの仕事なのですが、ある心電図で心拍数が
「33」という数字だったのです。
 通常の心拍数は60〜100。
 45以上なら問題ない程度なのです。
 マラソン選手などは若干低い傾向にあり、あの高橋尚子選手は37だそうで(^^;

 しかし、通常一般人で33 !?
 よくよく心電図を読んでみると、ところどころ20台を記録しているのです。
 これはとても異常なこと!!心停止もありうるじゃないか!!
 すぐさま身長・体重をチェックすると、肥満度がマイナス25%以上!!
 1年間で15kgもやせている!!
 つまり、ものすごいやせなのです。
 やせによる徐脈なのか?と思い、急いで受診勧告を出しました。

 
 100kgの人が1年間で15kgやせてもこのような症状はおきないでしょう。
 問題は、いたって普通の体重の方が1年で15kgやせたら…こうなるのです(涙)。

 神経性食思不振症で死ぬ人なんているはずがない、ずっと思い込んでいた私です。
 しかしこれは…死にいたる可能性がある。
 カーペンターズのカレンさんも、神経性食思不振症で亡くなりました。
 実際にこのような高度徐脈の方を拝見して、「神経性食思不振症で死にいたるというのは本当なんだ!!」とぞっとしました。

 ダイエットの経過中で、無理にやせようとしてこのような状態になるのはとても危険なことです。
 命の危険にさらされるなんて、本末転倒だと思います。

 



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